2006年1月25日
カメラの利用・購入に関するアンケート(U)調査結果の概要分析(その1)
-- 購入したいカメラの種類とメーカー --
デジタルカメラの急速な普及に伴い、写真の主役が銀塩(フィルム)からデジタルへと交代した。ニコンはフィルムカメラ事業の大幅縮小を発表し、コニカミノルタは2006年3月をもってカメラ事業とフォト事業から撤退するなどカメラ・写真業界を取り巻く環境は大きく変化している。カメラ情報センターでは、産業情報総研が2005年12月に実施した「カメラの利用・購入に関するアンケート(U)(注1)」の調査結果を基にカメラに対する消費者ニーズの現状を数回に分けて報告する。今回は、消費者が購入したいカメラの種類とメーカーについてまとめた。
カメラの需要、ほぼ完全にデジタルにシフト
-- 消費者の新規購入意欲が高いデジタル一眼レフ --
「カメラの利用・購入に関するアンケート(U)」の調査結果によ ると、所有するカメラは「コンパクトデジタルカメラ」が79.1%、「銀塩コンパクトカメラ」が31.3%、「銀塩一眼レフカメラ」が22.8%、「インスタントカメラ」が25.7%の順となった。これに対し、購入したいカメラは「コンパクトデジタルカメラ」が70.2%、「デジタル一眼レフカメラ」が38.4%、「銀塩一眼レフカメラ」が4.8%、「インスタントカメラ」が3.1%、「銀塩コンパクトカメラ」が2.7%となった(図1)。
図1 所有するカメラおよび購入したいカメラ(複数回答)

コンパクトデジタルカメラは、普及が進んで買い替え需要期に入っており、今後の買い替え需要も十分期待できる状況にある。デジタル一眼レフは、この1〜2年で低価格化が一気に進んで需要が拡大しているとはいえ、所有率はまだ低く本格的な普及はこれからが本番といえる。メーカーが今後積極的に魅力的な価格・性能・デザインの新製品を発売すればデジタル一眼レフ市場は更に拡大するものと考えられる。
一方、銀塩カメラ(フィルムカメラ)の需要は、前回調査(注2)から更に減って非常に厳しい状況が続いている。特にコンパクトカメラの需要減は深刻だ。富士写真フイルムが銀塩写真事業の継続を表明しているのでフィルム・プリント面での心配は当面無いといえるが、今後は一眼レフを中心にプロや愛好家向けの一部の機種のみが存続することになりそうである。
キヤノンが性別・年齢・機種を問わず幅広く支持を集めて総合人気でトップ、
デジタル一眼レフではキヤノンとニコンの人気が突出
-- 若者に強い家電メーカー、中高年層に強い老舗カメラメーカーの姿も浮き彫りに --
「所有するカメラ(銀塩およびデジタル)のメーカー(ブランド)」は、「キヤノン」が39.2%でトップ、次いで「富士フイルム」21.6%、「オリンパス」17.0%、「ニコン」11.9%、「ソニー」が11.5%の順となった。これに対して、「購入したいカメラ(銀塩およびデジタル)のメーカー(ブランド)」は、「キヤノン」が60.9%でトップ、次いで「ニコン」26.3%、「ソニー」21.1%、「オリンパス」19.3%、「ミノルタ」と「パナソニック」が14.1%、「富士フイルム」13.9%の順となった(図2)。キヤノンは、中高年層の支持が若干高めという点はあるが、それでも幅広い年齢層に支持されており、また性別・機種を問わず多くの消費者の支持を集めている点が特徴的だった。多くのメーカーでは、「今後購入したい」との回答が「現在所有している」を上回っているが、富士フイルムでは、「今後購入したい」(13.9%)が「現在所有している」(21.6%)を下回っており、既存ユーザーをつなぎとめられていない現状も明らかになった。
図2 所有しているメーカー(ブランド)と購入したいメーカー(ブランド)

購入したいカメラのメーカーは、購入したいカメラの種類や年齢・性別の違いによっても異なっている。デジタル一眼レフカメラの購入希望者では、購入したいカメラのメーカーとして「キヤノン」(68.3%)と「ニコン」(43.0%)の人気が突出しており、3位「オリンパス」(21.4%)を大きく引き離している。年齢別では、「購入したいメーカー」として老舗のカメラメーカーを挙げる人の割合は年齢が高いほど高くなる傾向があった。例えば、ニコンは10代では10%強にとどまるのに対して50代では40%に達している。ペンタックスもニコンと同様の傾向がみられた。キヤノンやオリンパスも、ニコンやペンタックスほどではないが若年層よりは中高年層の方が人気が若干高いという傾向がみられた。これに対して、ソニーやパナソニックといった家電メーカーは若者の人気が高い傾向があった。例えば、ソニーは、10代では35%以上なのに対して50代では僅か6%にとどまっている。
今回のアンケート調査では、コニカミノルタに関しては、「ミノルタ」や「コニカ」ブランドのカメラが市場に存在することから、これら2つの旧ブランド名と「コニカミノルタ」で質問した。結果は図2の通り、「コニカミノルタ」ブランドよりも「ミノルタ」あるいは「コニカ」ブランドの方が人気が高く、コニカミノルタは自社の新ブランドを浸透させられなかったことが浮き彫りとなる結果になった。既にカメラ事業からの撤退を表明したコニカミノルタであるが、人気の高い「ミノルタ」「コニカ」ブランドを活かせぬままカメラ市場から撤退するのは残念といえる。ソニーがこのコニカミノルタの資産をどう活かすのか、今後の展開が注目される。
次回「カメラの利用・購入に関するアンケート(U)調査結果の概要分析(その2)」に続く
(注1)調査の概要等は産業情報総研の2006年1月23日付プレスリリースを参照。
(注2)産業情報総研が2004年4月に実施した「カメラの利用・購入に関するアンケート」。調査結果の概要は、カメラ情報センターレポート「カメラの利用・購入に関するアンケート結果(サマリー)」に掲載。
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