カメラ情報センター

カメラ市場動向分析

−第4回(2003.9.1)−

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デジタルカメラの全世帯普及率が、 フィルムカメラの全世帯普及率を超える日

 

 フィルムカメラの国内の全世帯普及率は、デジタルカメラが本格的に市場に出回る1990年代後半までは85%前後だった。しかし、デジタルカメラの急速な普及に伴ってフィルムカメラの普及率も徐々に低下して2003年3月時点では75.8%となった。一方、デジタルカメラの国内 の全世帯普及率は1990年代末以降に急速に伸び、2003年3月時点で35.5%に達している(注1)。デジタルカメラよりも遥かに歴史の長いパソコンの全世帯普及率が30%を超えたのが2000年と最近であることを考えるとデジタルカメラの普及スピードの速さが良く分かる。今後もこうした傾向は続くと予想され、フィルムカメラとデジタルカメラの全世帯普及率が逆転する日もそう遠くは無いのかもしれない。

 

 しかし、デジタルカメラの全世帯普及率がフィルムカメラの1990年代ピーク時の87%に達するには現時点では時間がかかると考えられる。デジタルカメラの購入者の半数が20〜30歳代と若い世代であり(2002年時点。注2)、こうした若い世代の購入が一段落すると普及率の伸びの鈍化が予想されるからである。では、デジタルカメラの全世帯普及率がフィルムカメラのピーク時の全世帯普及率に近づく鍵はどこにあるのだろうか?そのポイントは以下の2点にあると考えられる。

 

・2002年時点で男性の1/3程度に留まっている女性の購入比率を引き上げる

・2002年時点でフィルムカメラ購入の約50%を占める50歳以上の高齢者層のデジカメ購入比率(2002年時点で約20%)を引き上げる

 

 それでは、これらの層の購入比率を引き上げるためにはどのような製品投入が望ましいのだろうか? 日本能率協会総合研究所が2003年8月に公表した調査結果(注3)では、デジタルカメラを購入する際に最も重視する点として「使いやすさ」、「画素数が高いこと」、「低価格もの」が多く挙げられた。これらのうち、少なくとも「使いやすさ」は女性や高齢者層の潜在ニーズを掘り起こす上で重要であると考えられる。女性は男性と比べて、あるいは高齢者層は若年層と比べてデジタルカメラのみならずパソコン等の新しい機械の操作に抵抗がある人が多いと考えられるからだ。

 

 今は、デジタルカメラを作れば売れる時代。一眼レフタイプも低価格化が進み、今後は一眼レフタイプのデジタルカメラの本格的な普及拡大が進むだろう。しかし、フィルムカメラと同じようにいずれ需要は頭打ちとなり、メーカーの淘汰も進むだろう。その時、生き残るのはその時代の消費者ニーズを的確に反映させた製品を素早く投入するメーカーだと考えられる。各メーカーには現在の好業績に甘んじることなく、 今後も積極的に様々なニーズに応えられる製品の開発・投入を期待したい。

 

【出所】

(注1)内閣府経済社会総合研究所、「消費動向調査」

(注2)カメラ映像機器工業会

(注3)日本能率協会総合研究所マーケティングデータバンク、「デジタル映像機器に関する購入実態」報告書

 

 

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