【中古購入の是非】
中古品の購入には、「外観が新品同様の中古でも”不良品”だった」というようなリスクがあります。筆者も、レンズやカメラボディで不良中古品を購入してしまった苦い経験があります。幸い、優良中古カメラ販売店で購入したので、直ちに初期不良品として返品し、お金は全額返金してもらいましたが、リサイクルショップやネットオークションなどで安易に購入した場合は泣き寝入りを余儀なくされるケースも出てくると思います。ですから中古品の購入は万人に勧められるものではありませんが、製造中止になり新品での購入が不可能である場合は中古品購入しか選択肢はありませんし、少しでも安く購入したい場合は中古品購入が有力な選択肢であることは間違いありません。実際、大事に保管され殆ど使用されなかったカメラやレンズが中古品として流通する場合も多く、価格も新品より大幅に安いことも少なくないので中古品購入が魅力的な選択肢の1つであるのも事実です。
中古品の購入リスクは、機材の種類によっても大きく異なります。フィルターやケース、レンズフードなどのアクセサリー類は外観が奇麗であれば殆ど問題無いといえますが、デジタル一眼レフなどでは、外観が奇麗というだけで良しとするのは極めて危険であり、色々な機能が正常に作動するかどうかチェックすることが求められます。筆者の主観でリスクを整理すると以下の表のようになりますので参考にして下さい。
中古品購入の鉄則は、「実物を手にっとって不良個所の有無を確認する」「初期不良品の返品に快く応じ、半年程度の保証をつけてくれる優良店で購入する」ということです。しかし、「実物を手にとって不良個所の有無を確認する」といっても、カメラに精通している人ならば店頭で不良個所の有無をある程度判別できますが、初心者が同じように判別するのは困難でしょう。したがって、初心者の方が中古品を購入する場合は、カメラに詳しい友人やメカに詳しい店員などのアドバイスを受けながら購入したり(店員全員が詳しいとは限らないので注意して下さい)、購入後にメーカーのサービスセンターなどで不良個所の有無を確認してもらったりすると良いと思います。保証については、優良店は中古品にも3ヶ月〜1年程度の店独自の保証を付けていますが、新品のメーカー保証とは異なり、保証期間中でも修理費用の全額を保証してもらえるとも限らないので注意して下さい。通常、無償修理保証期間中であっても、修理費用が購入金額を超える場合は超えた分の費用は有料となるようです。
【中古品の相場の確認】
中古品は、新品と違って一台一台の状態が大きく異なり、また販売店間の価格差も小さくありません。ですから、少しでもお得な買い物をしたい場合は、雑誌の広告や販売店のホームページなどで中古価格の相場(新品同様、並品などというように程度によって異なる点に注意)を確認し、それから、大小問わず複数の店を回ってみることをお勧めします。その際、ショーウインドウ越しに見るだけでなく(購入するふりをして?)店員さんにお願いして現物を手にとって確かめてみましょう。
中古品の価格は需要と供給のバランスで決定されるため、モデルチェンジ前の旧製品や発売からかなりの時間が経過して人気が無いモデルは、新品の定価の数分の1という驚くほど低価格で販売されることも少なくありません。しかし、発売されたばかりの新製品や人気のある中古品は、需給が逼迫して新品を買うよりも中古の方が高いケースもあるので注意が必要です。
【金融新品と逆輸入品】
「初心者だから中古品の購入は避けたい」あるいは「中古品は嫌だが少しでも安く購入したい」という方には「金融新品(量販店が決算対策等のために中古販売店に通常より安価で卸した商品など)」や「逆輸入品」を狙うという手もあります。但し、こうしたものを購入できる店は限定され、また常に欲しい機種の在庫があるとは限らないのも事実です。また、保証もメーカー保証ではなく販売店の保証であることが多いことも頭に入れておく必要があります。しかし、基本的に中身は新品なので中古を購入することに比べればリスクは小さくなる上、価格も中古の新品同様程度のものと同じ位のケースが多いのでお買い得です。但し、逆輸入品は国内で販売されているモデルと仕様が異なる場合があるので注意しましょう。
【中古品購入時のチェックポイント】
良心的な中古販売店では製品の状態に応じてA、B、Cという具合にランク付けし、問題箇所がある場合は「アタリ有り」などと注意書きがなされています(但し、ランク付けの基準は店によって異なるので、ある店でAランクの商品でも別の店ではBランクになる場合もあるので注意して下さい)。最初はこうした表示を参考にしながら、機能が正常に動作するかどうか、傷やカビ・汚れがあるかどうか、ガタがあるかどうかといった点を確認しながら選ぶとよいと思います。なお、中古カメラおよびレンズを購入する際のチェックポイントをまとめると下表のようになります。
★中古カメラ(ボディ)購入時のチェックポイント
|
チェック項目
|
対象機種
|
チェック内容
|
|
外観
|
すべてのカメラ
|
多少の傷やスレは通常の使用でもつくものなので気にする必要はない。金属ボディのへこみやプラスチックボディで樹脂がえぐれている箇所がある場合(「アタリ」と呼び、店頭の値札などに注書がある場合もある)は注意。何かに激しくぶつけたことがあることを意味するものであり、内部に影響が及んでいることもある。また、裏蓋などが割れているケースや裏蓋がきちんと閉まらないケースもあるので注意する。
|
|
マウント
|
一眼レフ
レンジファインダー
|
マウントのキズは使用上問題無いが、レンズ装着時にガタが無いかどうかを確認する。
|
|
ミラーおよびミラーボックス内部のチェック
|
一眼レフ
|
傷の有無やカビの有無をチェックする。傷やカビが多い場合は、メンテナンスや保管状態が悪いことを意味するので避けた方が良い。シャッターを切った時にミラーがきちんと動作するかも確認する。また、「モルト」と呼ばれるミラーのショックを吸収するスポンジも劣化していないかどうかも確認する。モルトは交換できるが、交換する場合は5,000円程度の費用が別途かかる。なお、このモルトは使用していない機種もあるが、モルトが劣化しているとミラーが汚れるだけでなく、カスがカメラ内部に入って故障の原因になることもあるので注意。
|
|
シャッター
|
一眼レフ、
レンジファインダー
|
シャッター幕にキズがないかどうか、きちんと開閉するかどうか、シャッター開閉時に異音が発生しないかどうかをチェックする。表示されたシャッタースピードと同じ速度でシャッターが切れるかどうかもチェックする必要はあるが、肉眼で確認するのは困難である。実際に購入してから試し撮りをしたり、メーカーのサービスセンターに持ち込んでチェックしてもらったりすると良い。
|
|
ファインダー
|
一眼レフ、
レンジファインダー
|
キズやカビ、ペンタプリズムの腐食の有無を確認する。古い機種(20〜30年以上の前の機種)だとペンタプリズムが腐食していることがあり、ファインダー覗いたときに黒い点や線となって見えることがある。プリズム腐食は修理をすると数万円かかるので、気になる人はプリズム腐食のものを避けた方が良いが、撮影(画質)には影響ないので気にならなければ考慮する必要はない。
|
|
フォーカシングスクリーン
|
一眼レフ
|
ファインダーを覗いたり、フォーカシングスクリーンを取り出したりして、スクリーンのカビや傷の有無を確認する。多くのカメラは固定式であるため自分では交換できず交換する場合は修理扱いになるので注意。フォーカシングスクリーン上のキズやカビはファインダーを覗いたときに目障りになるので無い方が良いが、画質には影響しないので気にならなければ考慮する必要はない。
|
|
露出計
|
一眼レフ
|
露出計が正常かつ安定して作動するかどうかを確認する。古い機種、特に昔のMF機だと露出計が安定しなかったり作動しなかったりすることがある。また表示する露出が数段アンダーだったりオーバーだったりすることもある。
|
|
カメラの各種機能
|
全てのカメラ
|
一通りの機能が正常に動作するかどうか、ボタン、レバー、スイッチ類にガタなどが無いかどうかを確認する。別売のアクセサリーを付けたときにのみ作動する機能もあるので、できるだけアクセサリー類も取り付けて機能がきちんと作動するかどうか確認することが望ましい。AF一眼レフやデジタルカメラだと機能が豊富なのでチェックする項目は多くなり、自分では全ての機能を確認できない場合もある。そうした場合はメーカーのサービスセンターに持ち込んで確認すると良い。
|
|
電池ボックス
|
全てのカメラ
|
電池ボックスを開けて、液漏れ跡がないかどうかを確認する。液漏れ跡がある場合は、液漏れの影響がカメラ内部に影響を及ぼしている可能性があるので避けた方が無難。
|
|
液晶パネル
|
液晶パネルのある全てのカメラ
|
10年以上を経た古いカメラの場合、露出などを表示する液晶パネルが劣化して交換する必要がある場合がある。旧式のAF一眼レフ等を購入する場合は、この点を注意する必要がある。
|